妊婦に安全な抗アレルギー薬

妊婦に安全な薬について判断基準にできる分類がいくつかある。

薬の安全性の主な分類・評価(妊婦)
  • FDA分類《米国食品医薬品局(FDA)》
  • オーストラリア分類《豪州医薬品評価委員会(ADEC)》
  • 虎ノ門評価《虎ノ門病院》
  • 妊娠と授乳評価《国立生育医療研究センター・妊娠と薬情報センター》

妊婦に安全に使える抗アレルギー薬(妊娠と授乳評価による)

一般名先発品名
セチリジンジルテック
レボセチリジンザイザル
ロラタジンクラリチン
ジフェンヒドラミンレスタミンコーワ
クロルフェニラミンポララミン
ヒドロキシジン!アタラックス!

一方、妊婦に禁忌になっている抗アレルギー薬を添付文書で確認してみると、

妊婦に禁忌な抗アレルギー薬(添付文書による)

一般名先発品名
ヒドロキシジン!アタラックス!
オキサミドオキサミド(後発品のみ。セルテクト経過措置終了)
ペミロラストカリウムアレギサール
トラニストリザベン

安全と禁忌、両方にアタラックス(アタラックスPも)が入っている!

疑問に思っていたのだが、ココに解説が書いてあった↓

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/61/2/61_KJ00007978207/_pdf

第一世代抗ヒスタミン薬は使用歴史、大規模の疫学研究結果などから奇形のリスクは否定的と考える。しかし、ヒドロキシジン(アタラックスP)は995例対象のメタアナリシスでリスクは棄却されているにもかかわらず、口蓋裂、離脱症状の症例報告ならびに米国でも禁忌であることから2006年6月に禁忌となった。

村島 温子 :アレルギー疾患と妊娠.アレルギー61(2):181-183 ,2012 より引用

同じ文献に、第二世代抗ヒスタミン薬で大規模疫学研究結果があるのはセチリジンとロラタジンだけ、とあり、その裏付けがあるため他の薬より自信を持って(⌒▽⌒)、安全である!と言えるのだろう。

総じて抗アレルギー薬は、妊婦には比較的安全な薬であると推察できる。

昔は妊婦さんの抗アレルギー薬といえば、ポララミンじゃった〜。

今はザイザルかクラリチンじゃのう。

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