幼児に処方できる抗ヒスタミン薬

「セルテクトだしたいんだけど、入力画面にでてこないの!」
と皮膚科さんから電話があった。
「‥セルテクトは販売中止になりました。もう保険からはずれています。」

2019年3月で中止になっています。

「ええー、じゃあ代わりの薬はなにがあるの⁉︎」
「ええーと、1歳ちょっとの子。すぐ調べてちょうだい。」
薬局も大混雑している。あせる〜。

ここの皮膚科では小児の内服薬はめったに処方されない。
うちの薬局で小児用に在庫している薬も、毎回期限切れになる。

とりあえず、在庫しているザジテンDS、6ヶ月以上での用法が認められているので、用法用量を伝えた。

私のいる薬局は都心にある。
もともと小児の内服薬はほとんど処方がない。処方が出ないので、薬局の在庫も少ない。
子供なら「皮膚科」ではなく、「小児科」あるいは「皮膚科・小児科」と看板を出しているところの受診をすすめたい。

ここだけの話。

抗ヒスタミン薬の内服薬は、昔はあまり小児には使うことはなく、使うとすると使用経験の多い、歴史の長い薬(鎮静系:ザジテンやポララミンなど)が処方されることが多かった。
でもこれらの薬は中枢神経に移行する率も高く、ザジテンはてんかんの既往歴のある子供には使えない。

今では他の薬も使用経験が積み重なってきたので、もっと副作用の少ない抗ヒスタミン薬を使うことができる。

幼児にも使用可能な抗ヒスタミン薬について調べてみた。

非鎮静系

中枢神経系の副作用が少ない。

一般名先発品適応年齢
エピナスチンDSアレジオンDS 1%3歳以上(14kg以上)
オロパタジン顆粒アレロック顆粒 0.5%2歳以上
セチリジンDSジルテックDS 1.25%2歳以上
フェキソフェナジンDSアレグラDS 5%6ヶ月以上
レボセチリジンシロップザイザルシロップ 0.05%6ヶ月以上
ロタラジンDSクラリチンDS 1%3歳以上

鎮静系

使用経験が長いことから使われてきた。最近は使用頻度は少ないが、昔からの先生は処方してくることが多い。

一般名先発品適応年齢
クロルフェニラミンDS ポララミンDS 0.2%通常成人
(年齢症状により適宜増減)
クロルフェニラミンシロップポララミンシロップ 0.04%通常成人
(年齢症状により適宜増減)
ケトチフェンDSザジテンDS 0.1%6ヶ月以上
ケトチフェンシロップザジテンDS 0.02%6ヶ月以上
シプロヘプタジン散ペリアクチン散 1%通常成人
(年齢症状により適宜増減)
シプロヘプタジンシロップペリアクチンシロップ 0.04%通常成人
(年齢症状により適宜増減)

個人的には、患者さんを待たせず早く渡せて(分包品)副作用も少ない、

「アレグラDS」がベスト!かな。6ヶ月以上の子にも出せるし!

ポララミンはドライシロップ0.2%の他にもポララミン散1%というのがあるので注意!

ちなみに‥

乳児・幼児・小児の区分

乳児‥1歳未満

幼児‥1歳〜6歳未満

小児‥6歳〜12歳

参考にさせていただいたページ↓

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shonijibi/39/3/39_275/_pdf

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