円形脱毛症の原因は最近では毛根組織に対する自己免疫が原因だと考えられている。
円形脱毛症というと、
「ストレスが原因で気がつくと頭の後ろに1、2カ所丸く脱毛していた」
というイメージがあるが、実際には脱毛の程度は様々だ。重症になるとほとんど毛が抜けてしまう場合もある。
そこで効果が期待されているのが、免疫抑制薬の一種、JAK阻害剤のゼルヤンツとオルミエント。海外ではすでに治療に使われている。
特にオルミエントは、日本でも保険適応になるか?といううわさもあったが、コロナの治療にも使われることになったので、円形脱毛症に適応になるのは当面見送られた‥のかな。
勝手な推測ですが。
JAK阻害薬の脱毛症に対する効果について解析した論文がある(2019年のだけど)。
JAK inhibitors for alopecia areata:a systematic review and meta-analysis
(J Eur Acad Dermatol Venereol.2019 may;33(5):850-856.K Phan, D F Sebaratnam)
30件の研究と289件の事例から、72.4%の発毛があり、45.7%は十分な発毛が、21.4%は部分的な発毛がみられた。最初の発毛までの平均期間は2.2±6.7か月であり、発毛が完了するまでの期間は6.7±2.2か月だった。治療が2.7ヶ月後に中止された37例すべてで脱毛が再発した。経口薬は局所療法と比較して、治療への反応が有意にみられた。反応の割合において、小児と成人の症例の間に差は見られなかった。
ざっくりまとめると、
- 発毛の効果が現れるのが約4ヶ月半〜9ヶ月後。
- 中止するとまた脱毛する。
- 約7割の患者さんになんらかの効果はみられる。
日本では、オルミエントを円形脱毛症に使う場合自費扱いなので、治療費は高額になる。
2022年1月現在、オルミエント4mgは1錠5274.9円(消費税抜き)。
成人の円形脱毛症では、これを1日1回1錠で服用するので、例えば5ヶ月だけ服用するとしても、
5274.9×30×5=78万5,235円(消費税抜き)!
でも植毛よりは安いのかな?
服用をやめるとまた脱毛する、ということは、ずっと服用しなければならないということか。
さらに免疫抑制剤なので感染リスクが高くなるなど、副作用にも気をつける必要がある。
確かに効き目は高そうだが、デメリットもいろいろありそうだ。
うーん‥。
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