現在開発中も含め、コロナワクチンの種類は4つある。
①ウイルスワクチン
インフルエンザワクチンと同じしくみ。ウイルスを弱らせて感染力を失わせたものを使う(不活化ワクチン)。ウイルスを培養する過程で使われる動物細胞はインフルエンザワクチンとは異なる。
シノヴァグやシノファーム(中国)製のワクチンもこのタイプ。
従来から使われているタイプのワクチンであるため、危険性も少ないが、効き目も弱いのではないかという疑問も出てきている。
同じタイプでは
KMバイロジクスが2022年7月に厚労省に承認申請予定。
②組み替えタンパク質ワクチン
ウイルスの一部、抗体が反応すると思われるタンパク質の部分だけを組み替え技術により増やし、それを投与する。
接種した人の細胞に入り込み、自分自身でタンパク質を作らせるmRNAワクチンとは違い、異物を直接投与するという方法。
個人的には安全性、効果ともに期待が持てそうな感じはするが、承認はまだ先。
塩野義製薬で条件付きの使用承認が認められれば2021年中にも実用化できる見通し。
/https://www.shionogi.com/jp/ja/sustainability/informations-for-id/covid19-initiative.html
→やや難航している様子。2022年3月までの実用化をめざすとのこと。
③核酸ワクチン
ウイルスのスパイクタンパク質の遺伝子をコードしたmRNAを投与して体内で生成させる。mRNAはすぐ代謝させないために、脂質ナノ粒子で包んでいる。それが注射部分の疼痛やアレルギー反応の原因になっているとも思われる。抗体産生は早い。
現在日本で接種されている主流のワクチン、ファイザー製とモデルナ製のワクチンはこのタイプ。
⑴ mRNAワクチン
第一三共も3月22日に臨床試験開始。実用化は2022年以降になる。
(ちょっと出遅れたか(^◇^;)
/https://www.daiichisankyo.co.jp/sustainability/unmetmedical_needs/antivirus/
⑵DNAワクチン
DNAを人細胞に組み込み、mRNAに転写させるってこと?すみません、しくみがよくわからなかったです(^◇^;)
mRNAよりワンステップ多いので、交代産生の速度や有効性がやや低下する可能性あり、とのこと。
大阪大学と共同でアンジェス(日本)が開発中。
今夏にも500人規模のP2/3結果が出て大規模なP3を始める予定。
変異株に対応した開発にも着手。南ア型、ブラジル型、インド型に対応した修正ワクチンをそれぞれ開発中という。ダイセルが開発した皮内投与デバイスを使ったP1/2も行っている。
/https://www.anges.co.jp/progress/
④ウイルスベクターワクチン
アデノウイルスという風邪のウイルスにスパイクタンパク質の遺伝子情報を組み込んだものを投与する方法。アデノウイルスに感染したことのある人には効果が弱まるとも言われている。アストラゼネカ社が5月21日に薬事承認されたが当面使用されない。まれだが血栓ができることがあり(特に若年者)、60歳以上への投与が考えられている。
同じタイプではジョンソンエンドジョンソン社が5月21日に薬事承認された。こちらは1回の接種で済むのが特徴。
③④のタイプは抗体を作る(液性免疫)だけではなく、キラーTやNK細胞(細胞性免疫)も活性化する効果もあるといわれている。
ワクチンは開発スピードが勝負!と言われているが、開発速度を上回る速度で変異株が発生している。
少しくらいの変化ではワクチンの効き目もあるのだろうが、いずれ、ターゲットのスパイクタンパク質が大きく形を変えるということも考えられる(−_−;)
コロナ禍以来、自然の威力、ということをよく考えさせられる。
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